鯖江市河和田地方が産地の「越前漆器」は、日本有数の生産シェアを誇ります。河和田地方には漆器神社(敷上宮)を初め、日本を代表する漆芸の銘産地として今に至ります。
木地には木製、もっかん・木質(木の粉を固めたもの)、樹脂、プラスチックなとがあります。また釉漆にも、本漆、カシュー、合成漆などかありますが、本来の日本漆器は、木製に本漆で仕上げます。
越前漆器の発祥は古く、福井で産まれ育った、継体天皇が能の花筺でも知られる、味真野御所に行幸の折、道中で王冠を谷間に落とし、その修繕を片町の民に下命された事に始まります。美しく施された冠は、塗椀2ヶと献上され、後に都にて26代天皇として即位後も、福井を懐かしみ、末永く懇ろに手許に置いて愛でたといいます。
また越前は、良質の漆産地としても知られ、漆掻職は越葵藩祖・結城秀康卿の実父 徳川家康卿を祀る日光東照宮建立の折にも、技能を発し、確たる地位を築き上げました。
現代生活に沿った日常器から、高級品とされる書院飾装品、茶道具なども製作されており、全国に出荷されています。街中で越前漆器を探してみるのも、福井を知る一考ですね。
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写真は、越前漆器の四方盆(錦裂・高田装束鳳凰裂)/越前根來瓢棗/継体天皇が507年2月、梅香る頃、福井を離れ樟葉宮に即位した頃を想いて、有職花の梅を越前檀紙と、紅水引(御所関係で使います)日の出結びで添えました/鯖江好きの事務局長愛用の越前塗椀と、シチュースプーンを、折形の折敷に、仲秋の色づきを知らせつつ。
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