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執筆者の写真Japanese Cultural Program

折形トーチリレー~福島編~


東北・折形トーチリレーも最終日です。

まず初めに、福島県双葉町に向かいました。

双葉町は原子力災害にのため、昨年ごく一部の立ち入りが可能になった地域ですが、まだ住民の居住は叶っていません。


双葉駅を出るとすぐに作業服の女性が、「放射線量のメーターを付けませんか」と私に話しかけてこられました。私の頭は「???」。

話をよく聞くと。国が、放射線量を測定しているとのことで、よくわからずにメーターをつける私。

その時に、職員の方々に「復興五輪についての実感」を尋ねると、駅前で聖火リレーが行われたことが、双葉町にとって明るいニュースだったということを知りました。




バスに飛び乗り「東日本大震災・原子力災害伝承館」へ向かいました。


伝承館横の双葉町産業交流センター屋上から撮影(左:駅方面,右:海岸方面)



伝承館では、双葉町の祭りや産業など、震災前の日常の映像が流れていました。

しかし、震災後、津波の被害に加えて、原子力災害によって人々は非難を余儀なくされ、人々が先祖代々築き上げてきた文化や生活など、人々の故郷があの日を境に失われてしまったことに、言葉を失いました。

私の故郷にも “おくんち(九州北部で収穫を感謝して奉納される祭)” という祭りがあり、故郷のことが思い起こされました。感染症禍で様々な祭りやイベントが中止となるなど現在は違う問題に直面していますが、先祖代々受け継がれてきた伝統や文化は、一度、途絶えさせてしまっては、再興が困難であるということを痛感させられました。



次に、隣の駅の浪江町に行き、「道の駅 なみえ」へ。

浪江町では、2017年に「居住制限区域」の避難指示が解除され、昨年には、「道の駅 なみえ」が復興のシンボルとして完成しました。道の駅では、浪江産の農作物、日本酒、大堀相馬焼、そして、ご当地グルメ等の地場産業など地域の魅力にあふれていました。


現在、約1,500人が浪江町に戻られ、およそ50軒の農家が農業に従事され、道の駅内の産直にも出荷されているそうです。東京大会のビクトリーブーケとして「トルコキキョウ」についても、道の駅のスタッフの方から教えてもらいました。浪江町のトルコキキョウの品質の良さは、花卉業界でも知られる程だそうです。


津波の被害によって失われた鈴木酒造も、道の駅内で新たに酒造を設け再開し、直営店も運営されていました。また、大堀相馬焼も、道の駅内での販売に加えて、陶芸教室(感染症禍のため現在は体験教室は休業)さらに、電気釜も備え付けてありました。


復興のシンボルとして、町の魅力が詰まった道の駅からは、復興に向けた力強さを感じました。

現地に行くことができない昨今の状況下で、百貨店などのようなオンライン接客があれば、地域の産品だけでなく地域の人々との接点が生まれ、現地のことも知ることができ、浪江町の復興にもプラスになるでは?と素人視点で感じました。


今回の東北・折形トーチリレーでは、自然の偉大さ、科学の限界、先人の知恵や時が醸成する価値、そして人々に活力を与えるスポーツの可能性を五感で感じた貴重な機会でした。


ヒアリング等にご協力くださいました、東北の皆様ありがとうございました。

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