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執筆者の写真Japanese Cultural Program

~和紙工房見学~


まだまだ暑い日が続きます。。

今日は久しぶりにK1号の地元佐賀県からの投稿です。

サロンでは展示会などでご紹介させて頂いた事があります名尾和紙の工房見学に行って参りました。


 最近では、日常で和紙に触れる機会もほとんどなくなり、工芸品としてみることがほとんどかもしれません。和紙は洋紙とは異なり、一枚一枚に「顔」があり、人のぬくもりがあるように感じます。

 和紙は、植物の繊維**に接着させるためのノリツギやトロロアオイといったものを打ち砕きネリを漉くことで作られますが、未だにあの粘りのある液体(ネリ)から和紙が生まれることが信じられません。いったいどんな発想で生まれたのか。。

 動画を見ていただければわかりますが、約1分で1枚の和紙が漉かれています。和紙1枚が均等の厚みを持ち、また1枚1枚の厚さも揃えられおり、職人技には美しさを感じるほどでした。




 名尾和紙は佐賀県名尾地区で300年以上の歴史を持つ和紙の産地です。元々、名尾地区は山地で農業の生産性が低かったことから、製紙業を全村挙げて広めたのが始まりでしたしたが、今では「名尾手すき和紙」が名尾地区で最後の手漉き和紙工房となっています。

 日常生活で和紙に触れる機会が少なくなってしまい、伝統や文化を残していくことの難しさを感じる一方で、職人が和紙を漉いている姿を見ていると、本物を見ることの大切さを感じさせられました。


 名尾和紙は、光沢があり耐久性に優れていることから、日本三大くんちと称される『唐津くんち』の曳山や博多山笠の提燈にも使用されています。

 最近では、佐賀県の地酒ブームとも重なって、多くの佐賀の地酒のラベルに名尾和紙が使用されています。「オールジャパン体制」でという言葉を東京五輪に向けて政府が打ち出していますが、オール地元で地域創生を目指していけないかな?と私の研究にも新たな着想を得ることもでき、地元愛を感じる大切な時間となりました。




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和紙は主に、楮(こうぞ)や三俣(みつまた)、雁皮(がんぴ)が主に使われていますが、名尾和紙には楮の原種である梶の木が使用されています。梶の木の繊維は長く、繊維同士が絡み合うことで名尾和紙の特徴である強い紙をつくることができます。

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