前回の香立、菊花の紙花立に関連して、もう1つ古い形式で、未だ儀式チックな慣わしが残る家庭で、神前や仏前に「甲立(かわたて)」の習慣があり、引き続きK2号が実家で秋の祭事での写真を送ってくれました。神社などでは今の時期「新嘗祭」などでも実施されているところもありますね。
紙を丸め水引で止めた筒に、米を注ぎ入れ、「松」「桜」「もみじ」「柳」の枝を、四方それぞれに立てるのも、「紙花立/おはなたち」と言うそうです。
なぜ?この組合せかは、昔からなので解らない様ですが、4ヶ所配置まで決まってます(笑)別バージョンとして、四方「松」で揃えたり、両サイド2ヶ所を「梅」と「橘」としたりするようです。
四方の紙花立の中央に、梶や桑の葉の上に、供え物を措き、この時期なら収穫米や、実のり果物など。また柿や柑橘蜜柑なとば、「円紙立」という筒の上に、直に、また瓦笥(皿)を置き据えます。これが後に、三宝や四宝「供物を置く台」に発達していったようです。写真の食品は、後に下げ直会(ナオライ)や、斎(オトキ)の物として食する。との事です。
「甲立/紙立」は、後に形や意味をいつからか変えて伝わり、現代では、天麩羅などの下に敷く、紙の角を折る「折敷」なども紙立と言われてたり、和菓子を頂く際にも懐中紙を斜めに畳む「皆敷」も今では同じように言われています。
どちらも、日本人は尊い物や口に入れ、命を繋ぐ物を、直には置かなかった様ですね。また土器や皿が無かった大昔に、葉の上に食べ物を乗せ、葉の形状にから落とさない為の名残が、形式的な意味合い和紙を折る形状で、残っているらしいです。
といいつつ、私K1号も以前に東南アジアの発展途上国に、ボランティアに行っていた時も、現地の方々も収穫を感謝し、また皿代わりに大きなバナナの葉に米を乗せてカレーみたく煮詰めたスープを食べる光景に遭遇しましたが、古代アジア圏ではそうして暮らしていたのかも知れませんね(笑)
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