明治まで都とされた、京都では様々な伝統技能が、産声を上げ、人や文化、環境に育てられ、研かれて、繊細さや優雅さを増し、日本文化が形成されてきました。
その中でも西陣織や、それに纏わる「生糸」産業は、他の追随を許さないほどに、深く探究され、また洗練されてゆきました。
例えば、刺繍糸の色一つにしても黒染め(先染に赤を染めてから、本染め黒に。)の専門の職人がいるように、一つの技術に生涯をか
けて取り組まれています。そして、それぞれの職人が命をかけ、最高の品を仕立てることで一つの作品が完成します。まさに、専門性
の高さゆえの分業のもとにものづくりが成り立っているのです。
京都の中でも、京刺繍を後世に、残そうとされている企業の会長さんを、事務局関係のご紹介により、お話をお伺いしました。
『修復、修繕は古いものに、息吹を与え、向こう百年まで残る様に、その時代の妥協を許さない、最高の技術を注ぎ込むこと。
古いものをそのまま保全するのも、良いがそれでは、先人の技術は継承されない。』印象的な言葉でした。
伊勢神宮に20年置きに、式年遷宮があり技術継承されるのも、理解できた気がしました。こちらには今も待ったなしで、全国の寺院
や、また祇園祭の山鉾の修繕に取り組まれています。
私は、日本の伝統文化を絶やさないために、組織運営や後継者育成などについて研究し、イベントソリューションの視点から課題を解
決していけるように、これからも勉学とサロン活動を継続していきます!
●経済産業省が定める京都府下の伝統産業は、以下の通りの17品目です。
①西陣織、②京鹿の子絞、③京友禅、④京小紋、⑤京組ひも、⑥京ぬい、⑦京黒紋付染、⑧京仏壇、⑨京漆器、⑩京仏壇、⑪京扇子、⑫京団扇、⑬京焼き、⑭清水焼、⑮京人形、⑯京指物、京表具、⑰京石工芸品。。らしいです。
※画像にあるのは、誰もが知る観光寺院の400年前の鶴三巴刺繍の敷物と、同じ年代の金糸(赤い絹糸に、和紙に漆で金箔を張ったものを巻き上げてある)
を撚ったもの。どちらも現代では同じ物は作れないそうです。
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